2019年5月10日金曜日

ホンジュラスのチャーター都市構想

何もない土地に制度的しがらみゼロの状態から都市を作り上げることで、発展途上国の中において香港やシンガポールのような急発展を目指す「チャーター(憲章)都市」が経済学者のポール・ローマーによって提唱されていた。

2011年頃のことで、その年に公開されたローマーのTED動画はそれなりに大きな反響を得ていたようだ。


このチャーター都市がホンジュラスで実現するということを、これまた経済学者であり翻訳者でもある山形浩生氏が著書やブログで紹介していたが、今となって調べてみると結局実現しなかったらしい。

原因はローマーも参加していた委員会の声を聞かず政府が勝手に海外の開発会社と契約したこと、それに伴いローマーが委員会を辞任したこと、そして2012年に裁判所から違憲判決が出たことなどらしい。

詳細は次のURLを参考に。それなりに長い記事にまとめられている。
時間のある暇人は全員読むべし。

Whatever Happened to Charter Cities in Honduras?
https://antiguareport.com/2018/10/updates-charter-cities-honduras/

Plan for Charter City to Fight Honduras Poverty Loses Its Initiator
https://www.nytimes.com/2012/10/01/world/americas/charter-city-plan-to-fight-honduras-poverty-loses-initiator.html?_r=0

「a project to turn Honduras into Latin America's Hong Kong(ホンジュラスを南米の香港にする)」というフレーズは非常に聞こえが良い。
惜しむらくは、政府の期待から始まった計画が政府自身の采配によって台無しとなったことであるか。